トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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「跡部くん……?」
驚いた表情のまま、じっと私を見つめる跡部くんに、こちらもどうしたのだろうと見つめ返した。
「お前、だったのか」
「うん?」
跡部くんはゆっくりと私の包帯で巻かれた右腕を、両手で包み込むように持ち上げた。
「どんなに捜したことか……」
「……?」
いとおしげに、包帯を見つめたまま擦る姿に回りも私もわけがわからず、ただ跡部くんがどうするのかじっと待った。
「五年前、カナダの国立公園。誘拐された俺様、カナダ空軍、ホーネットにコルモラント。これだけ言えばわかるだろう?」
「え、まさか!」
昨日の十歳の少年跡部は、全くの別次元の跡部くんだとばかり思っていたが、
「あの時の君は君だったのか!」
まさかの過去の跡部景吾だったとは。
意外過ぎて今度はこちらが固まったまま、跡部くんにがっしりと、でも柔らかく抱きしめられた。
それには回りも驚いて固まった。
浩美に対しては、次元が違う相手ということもあり、メンバー間で抜け駆け禁止という暗黙の了解がいつの間にか出来上がっている。紳士協定というやつだ。
だから目の前でこんなシーンを見せつけられてはたまらない。
「跡部、いいかな」
「そこまでにしたほうがええんとちゃう?」
場の空気がピリピリし始めた頃。
「……A~跡部が女の子抱きしめてるう~」
樺地の肩に荷物よろしく担がれたまま寝ていた芥川が、眠たげな声と眼差しで言った。
「その子が跡部の初恋の子? やっと見つかったの?」
「え?」
「は?」
「なんやと?」
「まさか!」
「え、マジ?」
「ホントかよ!」
「どーなってんスか?」
「なんだよそれ!」
口々にわめくわめく。
一気に辺りは騒がしくなった。
それにも関わらず私は抱きしめられたままだ。
(これ絶対聞こえてないよね。というか聞く気ないよね)