トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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「いいか、お前らよく聞けえ!」
私は声を張り上げてコヨーテを指差し睨みつけたまま怒鳴った。
「は?」
背後の跡部の目が確実に点になったと思う。前にいるコヨーテも一瞬眼を見開きビビって動きが止まったのがわかる。
「お前らはここまでだっ! この先は絶対に行かせないっ! 私は跡部を守るっ! 跡部を必ず親元へ帰すっ! 邪魔はさせんっ!」
私はそう叫びながら目の前の一番大きいコヨーテに立ち向かった。
「跡部! さっきと同じだ。そこら辺の石ころを手当たり次第ぶつけて怒鳴れ!」
跡部を振り返らず言った。
「わかった! うおあーっ!」
跡部の咆哮と同時にキャン!という甲高い獣の声が後ろから聞こえた。跡部が上手く石ころでも命中させたのだろう。
私に噛みつこうと飛び掛かってきたコヨーテの口に、ハンドタオルを巻きつけ固く握り込んだ拳を勢いよく突っ込んだ。もがき苦しみ暴れる獣を容赦なく組み敷き、
「絶対に跡部は帰す! 悪く思うなよ」
どれくらい過ぎたのか。痙攣を起こしていた獣はいつしか動かなくなった。
身体の大きさからして、多分このコヨーテがリーダー格だったのだろう。そのリーダーがやられたのを見て残りのコヨーテも私に恐怖を感じたのか、尻尾を後ろ足に巻き込むと後ずさりしながら脱兎のごとく駆け去った。
辺りが静かになると一気に力が抜けたが、全力で握り拳をしていたせいか、ほっとしたのに、拳がほどけない。