トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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(これはヤバいかも)
ずっと着いてくる獣たちの気配。さっきの狼もそうだけど、群れから切り離した一頭を何時間、あるいは何日間もひたすら後をつけ回し、相手の体力を消耗させて自滅に追い込む作戦だ。追われる側はわずかな休息さえ取ることは許されない。それは一瞬のゆるみが命の終わりになるからだ。
(……)
前後左右に出来る限りの意識を飛ばした。ありがたいことに集団や群れと呼ぶほどの頭数はいないように感じる。
(あれ、今の音は……?)
遠くの空で待ち焦がれた戦闘機の音が微かだが聞こえた。
「跡部、勝負に出るよ」
「え?」
道の先は少し開けた広場のような場所だった。
私は跡部を自分の背後に隠すようにしてそのまま彼にそう言った。ここへ来るまでずっと私の半歩前を行き、私を守って来ていた跡部としては、いきなり守られる立場になり戸惑っている様子が背中越しに伝わってくる。
イーグルが来ている。私は間もなくここを離れて元の世界に戻れるだろう。
だが、残った跡部はどうなる? たった一人で獣と戦えるのか?
まだ子どもだ。パラレルとはいえ、ひとつの世界に一人しかいない跡部を見殺しになど出来るはずがない。
星明かりに満ちる広場に獣たちが間合いを詰めて姿を見せてきた。
近づいて来るのは三頭のコヨーテだった。
これなら……。
私は相手の目から視線を逸らさず睨みつけた。そしてポケットからハンドタオルを取り出し右手に巻きつけた。
「いい、跡部。あのコヨーテに決して恐れていると思われないで。それからあいつらの目を見て、絶対に視線を外さないで。わかった?」
「あ、ああ!」
跡部からも戸惑いが消えた。