月光小夜曲*
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「そうか、ならお前は自分の荷物を抱えろ」
「えっ、あ…きゃっ」
跡部さんは、あっと言う間にあたしを抱き上げて外に出ると、今度はボルボの後部座席に押し込んだ。
「待ってろ」
そう言うと、部室の方に向かって行く。
(どうするんだろう)
あたしはまた、跡部さんの背中を不安に駈られながら見送った。
「じゃ、不二、そういうことでいいな」
「ああ、いいよ」
「今後高寺には、一切テニスはやらせない」
手塚はそう言うと、椅子から立ち上がり部室のドアを開けた。
「よう、手塚」
「跡部?」
ドアのすぐ外に跡部が立っていたので、手塚は驚いた。
「あそこまでお嬢ちゃんを痛めつけるのは、ルール違反じゃねぇか?」
「何を…跡部?」
「お嬢ちゃんが、連絡をくれたんでね。俺様が送るぜ」
「高寺が…まさか…」
思わず空間を凝視する手塚。
「ふん、お嬢ちゃんが呼んだからこそ、俺様が今ここにいるんだろ?」
追い討ちをかけるように、跡部は言い
「じゃあな」
軽く手塚に手を挙げると、正門前に止めてある車に向かって歩き出した。
手塚は跡部を目で追ったが、後部座席の七星の姿はわからなかった…。