トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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その時、窓の外で遠くから爆音が聞こえた。
(イーグル!)
イーグルが迎えに来てくれた! そう思った瞬間、私の手の中の携帯が鳴った。
『一ノ瀬さんっ!』
通話ボタンを押したとたん、切原くんの叫び声が病室中に響き渡る。
『繋がった! 繋がったっスよ! 一ノ瀬さん、聞こえますか? 俺っス! 切原っス!!』
「おおお俺っ?」
目を皿のようにした切原くんが自分を指差し、他のメンバーもあんぐりと口を開けた。
険悪な空気が一変驚愕へと変わる。
『浩美! 浩美なの? 大丈夫? 無事なの? 今どこにいるの!』
切原くんの声が千晶の声に変わった。
「うん、大丈夫だよ。どこも何ともないから心配しないで」
『浩美、ほんとに、心配、したん、だから』
携帯の向こうで千晶が泣きだした。
『一ノ瀬さん、マジ今どこなんスか? 戻れるんスよね?』
不安そうな切原くんの声が耳を揺らす。
早く安心させてあげなければと思った。
「うん、大丈夫みたい。イーグルがさっき上空を旋回していったから、ここでの役目が終わり次第戻れると思う」
『ほんとっスか? よかったーっ! 一ノ瀬さんと連絡取れなくなったとたん待ち受けからイーグルも消えちまって、ほんっと心配したんスよ!』
嬉しそうな切原くんの声が静まり返った室内に染み渡る。
『でも、そこでの役目って、そこに行方不明者がいるんスか?』
ああ、そうだ私は行方不明者を捜しているはずなのに……と本来の目的が頭をかすめると、幸村くんと目が合った。
不信感いっぱいの目が、私を凝視している。
「切原くん。今ね、目の前に切原くんがいるんだ」
『は?』
「高校一年生の切原赤也くんがいるの。どうやら私は二年後の別次元へ来たみたいなんだ」
『ええっ!』
「ええっ?」
携帯と病室内の両方から驚きとざわめきが沸き起こった。