月光小夜曲*
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「…七星ちゃんだ…驚いた。越前と背格好がそっくりなんだね…特にユニフォームなんて着たら…」
不二も驚いたように言った。
「高寺、氷帝では、誰のラケットを借りたんだ?ただの予備か?」
「跡部さんのです」
手塚先輩に聞かれたので、あたしは答えた。
「別に誰のでも構わないっしょ。『弘法筆を選ばず』だし、俺の使いなよ」
リョーマくんが自分のラケットを渡してくれた。
「ありがと」
あたしはリョーマくんに笑った。
「じゃ、最初の相手は僕がするよ。その方が乾もデータ取りやすいんじゃない?」
不二先輩が言った。
「よろしくね。七星ちゃん。でも、無理はしなくていいからね。調子悪くなったらすぐ言って」
あたしの顔を見つめて、先輩は微笑んでくれた。
「ありがとうございます…」
あたしは先輩にお辞儀をしながら思った。不二先輩の目は笑っていない…。
あたしの技量を推し測ろうとして、計算を始めた目だ。
今、不二先輩はあたしの敵としてコートに立つ。
あたしは敵に容赦はしない。例えそれが不慣れなテニスでも、勝負は勝負。
『最良の一手』
そこに打てば手も足も出ない一手を─
あたしはボールを投げ上げた。