俺様からの贈り物*
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「このツリーが……?」
「はい。お屋敷のものや、船のホールのツリーもどれも素晴らしいのですが、このお部屋のツリーだけは景吾様が特別にしつらえたものなんですよ」
メイドは、どこか誇らしく嬉しげに微笑んでもう一度ツリーを眺めた。
初めて海の上で宿泊、ということもありもしかしたら寝つけないかも……なんて思ったら朝だった。
こういう時の自分の寝つきのよさは、ちょっとビックリだ。
部屋の時計を見ればまだ6時前。窓の外はまだほの暗い。
ベッドから身体を起こしてカーテン越しに波の音をぼんやりと聴いていると、スッと人影と足音が通り過ぎた。
「え……」
あわててカーテンを開けて外を見たけれど、デッキの向こうの海と空の境界線が、わずかに明るくなり始めたのがわかっただけだった。
誰かが通ったのは事実だし、気になるので起きるついでに出てみようと、部屋にあるクローゼットを開けた。
「……」
開けたらそこはウォーキングクローゼットで、案内してくれたメイドさんが着替えを入れてあるから、どれでも好きなものを勝手に着ていいとは言ってたけど……。
「すぐ、帰れるんだよね……」
そこには何日間泊まるんだ、と言いたくなるほどの大量の服と鞄、靴が綺麗に揃えられていた。
はっきり言って、自宅にある服より多い。
クローゼットの中で半分あきれていた七星の耳に、もう一度窓の外を駆け抜ける足音が届いた。
「……!」
目的は誰かを探ること。
急いでハンガーに掛かる服の山をかき分け、引き出しを漁り、普段着に見える無難な物を選び部屋から飛び出した。
「跡部さん!?」
「よう、早いな」