俺様からの贈り物*
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跡部家のパーティも終わりを告げ、貰ったプレゼントを手にしたそれぞれの学校のテニス部員たちも、あれこれ騒ぎながらメイドの先導で会場を後にした。
「あの……」
「はい、何かお忘れ物でも?」
広間の片付けを始めた執事に、今部員たちが出ていった扉の陰から、やや遠慮がちに幸村が声をかけた。
「いえ、跡部くんに立海大の代表として今夜のお礼を伝えたいと思うのですが、姿が見えなくて……彼は今どちらに?」
手を止めて幸村の質問を聞いた執事は、穏やかにうなずいて答えた。
「景吾様は都内にいらっしゃいますが、プライベートなご用件で出かけられましたので、連絡はご無理かと思います」
「そうですか……」
「皆様のご様子は、私供から景吾様へお伝え申し上げますのでご心配には及びません」
年季の入った眼差しが、残念そうな色を浮かべる幸村に暖かく注がれた。
「わかったの? 跡部の居場所」
扉を閉じて廊下へ出ると、訳知り顔の不二が向かいの壁に寄りかかったまま聞いてきた。
幸村は肩をすくめて首を振る。
「都内だって」
「……漠然としすぎだね」
わかっていたけど、と言いたげな表情で幸村に並ぶと二人は玄関ホールに向かった。
「どうでしたか?」
「どうだった?」
「七星ちゃんいたの?」
跡部家の門を出ると、脇で待っていた青学と立海のメンバーがそれぞれ声をかけてきた。
「上手く連れてかれちゃったみたい。都内にはいるみたいだけど、後は全然」
不二が曖昧な微笑みでそのことを伝えると、両校からため息が漏れた。
「跡部なら、超有名ホテルのケーキバイキングとか、食べ放題とか……」
「色気がないのう、ブンちゃん」
「え、だってクリスマスだぜ? ケーキは当然だろぃ」
「丸井くん、あなたは先ほど、さんざん召し上がったはずではありませんか?」
仁王の言葉に鼻息も荒くケーキを力説する丸井に、柳生があきれた。
「ん~七星ちゃんがいるんだから、大人っぽくクリスマスディナーかにゃ」
「お! いいっすね、それ。チキンの丸焼きに、何か旨そうな洋風な料理に……」
菊丸と桃城の会話も食べ物ばかりで、聞いていた不二も苦笑いだ。
「ヘリで移動したから、夜景を見たのは確実だと思うけどね」
「そうだね。そこからどこにエスコートするかだけど……」
跡部がヘリで庭から飛び立ったのを目撃したのは幸村と不二だけだが、さすがにこの二人にも跡部が七星をどこに連れ出したかまでは想像することも出来なかった。