俺様からの贈り物*
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「柳、君の意向だけど聞かなくもないかな」
「……うん?」
七星のマフィンでまったく釣れなかった不二が、ふと思いついたという感じで、手元の電子辞書から柳に視線を移した。
「交換に応じるということか……?」
柳はかすかに眉を寄せると、反対に不二から不二の電子辞書へと視線を流した。
「ああ」
「……交換条件は何だ? これで同意しなかったお前が、無条件で応ずるとは思えないが……」
柳はこれと言いながら、七星のマフィンを表情で示した。
「まあね。ただ、立海の参謀に恩を売っておくのも手かなって思ったんだ」
そう言うと不二は、ふふ、と穏やかな微笑みを柳に向けた。
「特に僕は電子辞書が必要なわけではない。あれば便利かな、くらいだしね。それなら、立海にひとつ貸しを作っておくよ。そのほうが有意義だ」
「……なるほど」
柳も己のデータファイルと電子辞書とを秤にかける。
相手は青学の不二だ。
この先、もしかしたら無理難題を吹きかけてくる可能性は確かにある。
だが、同時に回避出来るだけの能力も自分にはあるはずだ、と。
「ふふ、決まりだね。はい、どうぞ」
柳の計算終了を目ざとく察知した不二は、電子辞書と説明書一式を柳に差し出した。
「すまないな、不二」
柳は不二からの電子辞書を受け取ると、箱に納めてある自分の電子辞書を不二のその手に乗せた。
「どう致しまして」
受け取った箱を持ち上げると、不二もにこやかな笑顔を柳に返した。
契約成立だ。