俺様からの贈り物*
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「ええ…困ったな」
ビンゴ大会真っ最中の跡部邸で幸村が思わずつぶやいた。
「はい、この超巨大キャラクターぬいぐるみは立海大の幸村様に当たりました」
スポットライトを当てられ、司会の執事のいる場所へと連れられて行った幸村は、どっかりとテーブルに座っているどでかいぬいぐるみを渡された。が、重い。めちゃくちゃ重い。ぬいぐるみにあるまじき重さだ。
「でっかいなぁ…大五郎の四倍はあるよね…」
必死に抱き抱えて菊丸の横を通り過ぎた時、その言葉が幸村の耳に届いた。
「はぁ…」
「おめでとう」
窓際の床に、投げ捨てるように超巨大ぬいぐるみを置いた幸村に不二が声をかけた。
「…めでたくない。持って帰るのが面倒だから一番小さな包みにしたのに…」
大きく息を吐くと、幸村は最初に取ったプレゼントをポケットから取り出した。
「フフ、欲がない君に跡部サンタからのプレゼントだよ」
「大迷惑…」
ほとほと嫌そうな眼差しで、幸村は純真無垢とも言えるぬいぐるみを睨みつけた。
「あ、僕も何だか当たったみたい。ちょっと行って来るよ」
読み上げられた数字をビンゴカードから見つけると、不二はその数字をひとつ押し込んだ。一列に綺麗に開いた穴を確認すると、軽く幸村へ手を振り前方のスポットライトへと進んだ。
「何が当たったの?」
「電子辞書だった」
巨大ぬいぐるみと並ぶ幸村の元へ戻った不二は、箱から説明書と本体を取り出すと、しげしげと眺めながらいじり始めた。
「どうした、蓮二」
「…不二に電子辞書が当たった」
柳蓮二は司会の執事から当選賞品を受け取り、自分の横を通り過ぎて行く不二の手元をじっと見つめて言った。
「二台あったのか?」
「そのようだ」
乾貞治は、先ほど柳が勘と推理で引き当てた電子辞書をチラリと見てから不二の背中に視線を走らせた。
「…気になる」
「うん?」
「まったく同じ物か見せて貰ってくる」
そう言って柳が不二の方へ身体を反転させる姿に小さな笑いを浮かべると、乾はその後について行った。
「…何かな?」
電子辞書をいじっていた自分の前に現われた二つの影に不二は頭を上げた。
「俺もさっき電子辞書を引いたんだが、君のと同じなのか違う物なのか、知りたいと思ったのだ」