俺様からの贈り物*
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「でも、着替えはいらないですよ。もう乾いたんだし…」
「俺にふさわしくあれ」
「は…?」
鍵を開けるだけで着替えるということに疑問があり、いささかぞんざいな調子で跡部に言いかけた七星だが、また目が点になった。
「ゲームはパーティーの余興だが、あいつらには最大の目玉だ。宝くじの発表だってきらびやかなライトとドラムロールがあるだろう? それと同じだ」
納得いくようないかないような…。相変わらずなニヤリとした俺様スマイルと、主の命に従うメイドの力で引っ張られるまま七星はあきらめと強制の中、ホールを後にした。
「わーっ、すっげっー!何あれ」
イルミネーションが一斉に庭に灯ると、いつの間にかゲームそっちのけでバイキング大会と化していた会場から丸井が驚きの声を上げた。
「うわー! めっちゃくちゃ綺麗じゃん!」
巻き寿司を片手に菊丸も窓へと駆け寄った。
「ほう…クリスマスにしては妙に庭が寂しいと思ったら、こういう仕掛けだったか」
光の点滅に眩しそうに?目を細めた柳に
「ようやく七星ちゃんが跡部から鍵を受け取ったということかな」
乾も同じようにレンズに光を反射させながら応えた。
「では、俺達もそろそろ戻るとするか…」
ソファから立ち上がりながら柳が扉近くに控えていた樺地に目をやると、そこにはすでに樺地の姿はなかった。
(気配をさせずに素早いものだな。跡部が行動を開始する前にもう動き出すのだろうか)
樺地の残像を見据えるかのように、先ほどまで樺地のいた場所をじっと柳は見つめた。
「これ、着るんですか…?」
七星の前に出された真っ白なドレスは、パニエでふんわりと膨らみ夢見がちな乙女ならイチコロな甘い可愛らしさと清楚さが溶け込んだ可憐なドレスだった。
(俺にふさわしくあれ…って一体あたしに何を望んでいるんだろ…跡部さんてば、まったく…)
ブツブツ言いながらも、心をくすぐられるドレスの誘惑には勝てなかった。
「ちょっと着てみようかな…」
そのつぶやきはしっかりとメイドの耳に届き、あっと言う間に着せ替えられるとヘアメイクも瞬時に行われ、瞬く間に七星は跡部の待つホールへ送り返された。
「ほお、さすが俺様の見立てた衣装だ。よく映える」
(ドレスだけ?あたしは…?)