俺様からの贈り物*
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「…遅ぇな。何やってやがるんだ。柳の奴、調子のいいこと言いやがったが、来ねぇじゃねぇか。仮にもてめぇは参謀だろうが?ちゃんとあいつに教えたのかよ!」
一人広いホールの椅子に優雅に座っていた跡部だったが、先ほどの柳との会見からすでに時間は15分以上過ぎ、イライラのピークに達したのか椅子を蹴るように立ち上がると部屋中をうろつき始めた。
「上がりーっ!」
「やった、俺も上がり!」
「俺も」
「俺も」
「ちょ…ちょっと待って。ババ抜きで何で全員上がれるの? 変じゃない?」
「あれ?」
「そういやそうだな」
テーブルいっぱいに散らばったカードに、沸き立っていた声が不二の疑問にざわつきに変わる。
ここは学校別団体戦会場だ。テーブルごとにカードゲームやボードゲームなど、誰でも簡単に参観出来るゲームばかりが用意されている。無論、部屋の一画にはちゃんと立食コーナーが設けられ、メイド達の接待もさり気なくて至れり尽くせりである。
「どうなってんだ?」
桃城も頭をかきながら、参加したババ抜きメンバーを見渡した。
「あーっ!」
その時、いきなり向日がすっ頓狂な声を上げ床を指差した。
「踏んでる!慈郎の奴がババ踏んでるっ!」
「…え~? 俺…?」
半分テーブルに突っ伏し寝ていた芥川が、けだるそうに身体を起こすと椅子をずらし自分の足元を見た。
「…あ…」
眠そうな視界に入ったのは靴の下にあるジョーカーが一枚。恐らく居眠りしながらのゲーム中に、知らずに落としてしまったのだろう。
「ぶはは、それじゃ全員上がって当たり前だぜ」
丸井が腹を抱えて豪快に笑った。それにつられ他のテーブルからも笑いが起こり、緊迫感のあった会場に穏やかな和みが広がった。