俺様からの贈り物*
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「つまり…何だ、貞治」
柳も乾にならい紅茶をひと口すすると、先を促すように話しかけた。
「ああ、つまりすべて同じラッピングの中から目当ての品物を探し出すのはお前でもやはり難しいのか、と言うことだ」
カップと揃いの皿に乗ったガトーショコラをフォークで切り崩すと乾は口に運んだ。
「ある程度までは絞り込める。が、重さと形状から携帯用のゲーム機と果たして区別がつくか、が問題だな」
柳はガラス窓越しに、庭先にうっすらと積もった雪へと目をやった。
「ああ、それか。なるほどな」
乾は電子辞書と人気の携帯用ゲーム機を思い浮かべた。確かに箱に入った状態でラッピングされたらわからないかもしれない。
「………」
乾はテーブルに残された七星の食べかけのマフィンに何気なく目をやった。
先ほどのメイドが下げようとしたが、もしかしたら戻るかもしれないと飲みかけのカップと共に残してもらったのだが…。
「使えるかも…だな」
「何がだ」
柳は窓から乾へ視線を向けた。
「仮に電子辞書の箱の方がゲーム機よりも大きく一度で引き当てた場合は問題ないとして、間違えた場合に引き当てた相手と交換して貰うというのも手だろう」
「交換? …するだろうか。相手がすでにそのゲーム機を所持している場合、2台目はいらないだろう?」
柳はテーブル上のカップかケーキかわからないが、何かに視点を向けながら腕組みをした。
「そうなったらこの付加価値に力を発揮させればいい」
乾はそこで初めて七星食べかけのマフィンを指差した。
「ん…?」
柳の視線はマフィンにロックオンした…と思われる。
「七星ちゃん食べかけマフィンと飲みかけ紅茶のセットだ。これを付けるから交換してくれないか、と提案すれば7~8割は応ずるだろう」
ニヤリと乾が笑うと、逆光レンズもキラリと光った。