月光小夜曲*
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(…俺様の土曜日…?…俺様の土曜日…って何…?)
あたしは、美味しいはずの朝食も味がわからないまま、何とか平らげた。
跡部さん家の庭は公園のように広い。そこで、跡部さんの飼っている犬としばらく遊んだ。
家では動物を飼っていないから、結構楽しかった。
「外へ行くから来い」
そう言われて、また車に乗せられた。今度はベンツだ。
一体、何台あるんだろう…。
考えない方がよさそうだ。
俺様につき合って、あちこちウィンドウショッピングした。
車はまた青学に来た。
「部活あるんだろ?」
コートの方から、掛け声、ボールの音が響く。
「あ、はい…」
あたしは少し不安になって答えた。
「待ってろ。手塚と話をして来る」
(…また…?一体手塚先輩に何の話が…?)
あたしは、跡部さんが何を考えているのかわからないまま車の後部シートから、コートに向かう跡部さんの背中を見送った。
「よう、手塚」
「跡部!?」
昨日の今日である。
手塚も、跡部が何をしに来たのかわからないまま、対応に出た。
「話を聞いた」
「─話?」
「あいつの…事故の話だ」
「─…!」
「…俺は悔しいと思った」
「………」
「才能が…強制的に限界をつきつけられる…」
「…俺も悔しいさ…」
「それでも俺は、あいつを欲しいと思う」
「──!」
「お前はどうなんだ?手塚」