俺様からの贈り物*
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七星のいささか不安な気持ちを乗せたまま、黒塗りの車は一路跡部邸に向け静かに走る。
「あ、そうだ! 手塚部長」
ミーティングが終わり、部室のテーブルを動かしながら忘年会の準備に入ったところで、荒井が思い出したように手塚に声をかけた。
「…部長はお前だ。荒井」
「…あ…」
手塚のいつもと変わらない口調に、またやってしまった、と言うやや情けない顔で頭を掻く荒井。
「はは、なかなか慣れるものじゃないよ。でも、俺達が卒業したらここは荒井の率いるテニス部だ。俺達もまた後輩からスタートだし、お互い頑張ろうな」
大石が励ますように荒井の肩を叩く。
「卒業…」
大石の放った何気ない言葉に、ガタガタとテーブルのぶつかる音で騒がしかった部室は急に静かになってしまった。
部から引退しただけでも寂しいのに、学校そのものからも3年生達がいなくなってしまう…。悲願だった全国までの長い道程(みちのり)。一緒に戦い応援し続けたきらめくような先輩達。
その偉大な先輩達が一斉にいなくなる不安。それが後輩達の胸の内に波紋のように静かに漂い広がる。
「…で、何だ荒井」
何事もなかったように手塚が口を開いた。