横浜物語
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真田と七星がいる場所に向かいながら柳は携帯を取り出し、もう一度写真フォルダを開いた。
ぐるりと景色が写る中の終わりの一枚。
こちらをじっと不思議そうな瞳で見上げている七星がいた。
その素の表情から、偶然真田がシャッターを押したのだろうと推測出来る。
そして、何も考えずにそのまま風景と一緒に自分に送信したのであろう事も。
柳はその一枚をそっと秘蔵フォルダに振り分けた。
(精市には遠からず弦一郎からバレるだろうが……)
今は言わなくてもいいだろう。柳はそう判断した。
「では俺は戻る」
柳と交代でベンチから腰を上げた真田だが
「いや、次の赤也の前に昼にしようと思う」
時刻の確認をした柳に言われ再び座り直した。
「少しいいか?」
「あ、はい」
自分の右側から声をかけた柳が座れるように、七星は少し真田寄りに席を詰めた。
「今、俺たちがいるのは……」
(はい?)
なぜか柳は七星の膝の上にあるバッグを机代わりに案内図を広げたのだ。
「ふむ」
それを熱心に覗き込む真田。
(えーと)
真田と柳に挟まれ、非常に狭苦しい気持ちの七星。
「という事で決めていいか」
「ああ、これを精市に伝えればいいんだな?」
両側からの意見交換に
(あたし、要らなくない?)
と思う七星だった。