横浜物語
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「うむ、わかった」
真田がそう言うと通話を切り、おもむろに携帯で自分の周囲をぐるりと写真に撮り始めた。
「……?」
七星は真田が何をするのかわからず首を傾げたが、「ふむ、こんなものだろう」と呟き画面を手元に戻した真田がそのままうっかりシャッターを押してしまい、慌てる姿に微笑ましく思った。
「何を撮影されたのですか?」
気になった七星はベンチに座り直した真田に尋ねる。
「ああ、次の者がここへ来るのだが、肝心のこの場所がどこなのかよくわからんのだ」
言われて七星は時計を見た。
(もう交代の時間なんだ)
「で、現在地をパノラマ撮影して送れと蓮二に言われた」
「あ、それなら説明しなくてもすぐにここがわかりますね」
さすがだな、と七星も機転の利く柳に感心した。そういえば真田がここへ来た時も、案内用のパンフレットを手にキョロキョロしながら通り過ぎてしまい丸井に笑われていたっけ、と思い出した。
「弦一郎たちの場所わかった?」
次々と届く写真を確認している柳に幸村が話しかけたが、一瞬柳の目と手が止まる。
(うん……?)
幸村は見逃さなかったが、柳は何事もなく携帯を閉じポケットにしまった。
「ああ、大丈夫だ。どうやらブン太と落ち合った所からほとんど移動していないようだ」
「え? 真田のやつ何やってんだ?」
「まあ、真田くんの事ですから何もプランが浮かばなかったのでは?」
「その場で待機かよ」
「いやでも、七星ちゃんにとってはその分休めてよかったんじゃないスか?」
「モノは言い様ナリ」
その場に真田がいないせいか、口々に言いたいことを言いまくる。
「では、次は俺なので行ってくる」
柳の言葉に全員が軽く手を振り見送った。