横浜物語
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「じゃ、頼むぜ真田」
人混みをかき分け、指定された場所へどうにかたどり着いた真田は、丸井から七星を託された。
だが、丸井がメンバーの所へ戻り、二人になったものの、真田は腕組みをしたまま考え込むようにただ立っていた。
「あの……」
七星も、どうしたものかと戸惑いながら真田を見上げた。
「俺は……」
かなり、と思われる時間をかけてから真田の唇がゆっくりと開いた。
「女子とどこかへ出かけたり、二人で何か話したりなどという一連の行為はあまり……と言うか経験がない」
見上げた七星の視線から逃れるように、真田は少しだけ顔を横に向けた。
「でも、真田さんとは将棋を指すために喫茶店に入ったりしていますよ?」
今さら何を……と思ったのか不思議そうに七星は目をぱちぱちとさせた。
「いやっ、それは……」
うろたえる真田は
「言葉の綾と言うか……その……つまり……」
定まらぬ視線を泳がせ、空咳をし、腕を組み替え、帽子のつばを目深く引き下ろしたところで観念したのか、ようやく答えを口にした。
「何をすればいいのかわからん」
それを聞いた七星は、真田を見つめていた顔をふっとほころばせた。
「では、お話しを聞かせて下さいますか?」
「話……?」
七星の言葉に真田は、深く下ろしたつばをもう一度持ち上げた。