横浜物語
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「あの、丸井さん」
七星は丸井に手を引かれながら、丸井が遊園地から出てしまい別な場所へ向かっているのに気づき、少しだけ不安になりながら聞いた。
「ん?」
丸井は何だい? というような顔を向けたが、歩調はゆるめなかった。
「どこへ行くんですか? あの、遊園地から出てしまいましたけど……」
「あ、七星ちゃんは知らないかな? 今年、横浜は開港150周年で、記念イベントの横浜開国博をやってるんだぜ」
「開国博!」
七星は思わず辺りを見回した。
言われてみれば、あちらこちらに『Y150』の文字とマスコットキャラクターが描かれている旗が目についた。
「知らなかった……」
丸井に連れられながら、七星はつぶやいた。
「それなら、丁度よかったぜ。土産のグッズ見るのが新鮮になるだろぃ?」
丸井は楽しそうに笑った。
「ほらここだぜ。一応、近場の会場へ来たけど移動を考えると、一時間枠は結構キツいかな……」
丸井は赤レンガの並ぶ場所へ来ると、目的地を指差した。
わあ、と目を丸くして赤レンガ会場を見る七星を横目に、丸井はチラリと腕時計を見た。
横浜開国博はいくつかの会場が港に並んで点在している。
丸井が七星を連れて来た、ここ赤レンガ会場は、公式記念品ショップがある。
早速ぬいぐるみや雑貨に目を奪われた七星は、売り場に見入っている。
その様子を七星の背中越しに見つめる丸井は、そっと携帯を取り出した。