横浜物語
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「それじゃちょっと土産物売り場を覗いて来る」
幾人かの部員達が走り去ると、ジャッカルも立ち上がり、あくび混じりに土産物を扱うコーナーへ向かって行った。
「みんな元気だね」
幸村は最初に丸井が七星を連れ立って行った方向に目を向けたまま、その場に残って思い思いの椅子に座っているメンバーに声をかけた。
「立海のテニス部レギュラーメンバーがこれくらいで疲れていては話にならん」
腕を組みどっかりと構える真田は目を閉じている。
「まぁね。弦一郎はどこか見て来ないの?」
幸村の問いに
「…いや、特に見る物もないし順番が来るまでただここにいるつもりだ」
腕組みの姿勢のまま真田は答えた。
「ブン太の次は弦一郎だ」
「……」
柳の言葉に真田の目がいきなりカッと開くと、みるみる丸くなった。
「…何だと?」
「4月のブン太の次は5月生まれの弦一郎の番だ」
真田の頬にさっと朱色が走ったように見えたのは気のせいか。
「い、いや、それならなおさらここにいて時間を厳守しなくては…」
咳払いで真田が答えたが、その姿は狼狽にも見て取れた。
真田がメンバーの誕生日などいちいち覚えているわけもなく、自分が5月生まれだということすら忘れ果てていた。
(次…だと?)
さっきまでの落ち着きはどこへやら、急にしたこともない緊張感に包まれ始めた。
(何をすればいいのだ?)
再び目を閉じると、真田は沈思黙考の体勢に入った。