横浜物語
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「わかってるって。じゃ、七星ちゃん行こうぜ」
丸井はぐっと握る手に力を込めると、ゆっくりとしかし自分の心のように急ぎ足で歩き出した。
「さて、その間俺達は何をしてればいいんじゃろかの」
丸井と七星が人波に隠れてしまうまで背中を見続けた仁王が、視線は向けずに幸村に言った。
「そうだね、それぞれ七星ちゃんとどこに行くか下見するのもいいし、個人で遊ぶのもいいし、好きにして構わないよ。ただ、時間ごとのバトンタッチはスムーズにしたいから、次の番の者がここにいなかった場合、その次の該当者に権利は移るよ? それはいいかな?」
休憩所のカフェテリアの椅子に、ゆったりとくつろぐ幸村は部員を見渡しながらそう言った。
「それは当然でしょう。わかりました。では私は園内を散策して参りましょう」
柳生が眼鏡のフレームに指を添えながら、座っていた椅子から立ち上がると、ゆっくりとした歩調で丸井が向かったのとは逆方向へと足を向けた。
「それじゃ、俺は射的でも楽しむとするかのう」
続けて仁王ものんびりと他の連中に背中を向けると、射的場へ歩き出した。
「あ~、俺は喉が渇いたっす」
そう言うと切原は、ここがカフェテリアですぐ目の前でドリンクを売っているにもかかわらず、別な方向へと走り出した。
「赤也、自販機ならこっちだよ」
「それ、飲みたいやつがないんすよ」
幸村が指差した自販機には目もくれず切原は猛然と走り去った。