横浜物語
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「それなら一人1時間ずつ、七星ちゃんと好きな乗り物でもアトラクションでも自由に過ごすっていうのはどうだい?」
幸村が提案した。
「…それはいい案だが、精市はいいのか?」
柳が探るようにその目を向けた。
「構わないよ。それでみんなが満足出来て楽しめるなら、一番じゃない?」
ふふ、と穏やかに幸村は笑った。
「……」
その穏やかさに柳のデータが頭の中で働き始める。
(ブン太の4月20日、次が弦一郎の5月21日、次いで俺が6月4日……精市は3月5日で一番最後になる。しかも一人1時間なら精市は7時間後でもう完全に夜になる……)
観覧車からの夜景も思うままだし、薄暗がりで足元も危なくなるから抱き寄せるのも可能だろうし、そのまま閉園になってしまうだろうから送ってもいけるだろうし、もしかしたら一番美味しいとこ取りなのでは…と結論を出した。
(考えがあっての『貸し出し』か、まぁ余裕もあるのだろうが……)
表情には出さずに柳はデータを頭脳ファイルにしまった。
「ただ、お昼は全員で取らないか? 無駄にヤキモキしてしまうだろうから、そこは健全に行こう」
「それがいいぜよ」
「それいいっす」
「決まりですね」
幸村の提案にレギュラーと七星も賛成した。
「けど、時間内の食べ歩きは自由で構わねぇんだろぃ?」
一番手の丸井が、早くも七星の手を引っ張ると幸村に聞いた。
「ほどほどにね。でないと、肝心のお昼が入らなくなるよ」
幸村は、丸井の手に握られた七星の手を見つめながら微笑んだ。