横浜物語
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「…で、何でいるんすか?」
翌日、切原が七星との待ち合わせ場所にうきうきと駆けつけると、最初に目についたのは七星ではなく見慣れて見飽きた立海のテニス部連中だった。
「心外ですね、切原くん」
「そうぜよ。元々遊びに誘われたのは俺達が先だし、いて当然じゃ」
紳士は眼鏡のフレームをキラリと光らせ、詐欺師はにんまりと笑う。
「あ~だけど、昨日は先輩方には思いっ切りフラれてますんでね。今日は別にいいっす」
ぷいっとそっぽを向いた切原は、心底冗談じゃないと考えていた。貴重な休みにせっかく誘えた七星との時間だ。邪魔されてなるものか、と。
「切原くん、私達と遊びましょう」
紳士柳生は無表情で腕組みをすると、切原の話など聞く耳持たぬ姿勢のまま威圧的に誘いをかける。
「……いーえ、先輩達と遊んでも面白く…」
「俺達と遊ぶのいや?」
切原が言い切らぬ前に、部長幸村が穏やかに微笑む。
「………」
柳生に太刀打ちは出来ても、この部長幸村は手強い。
「あの、ごめんなさい切原さん。あたしが切原さんと会うって言ってしまったから…」
七星が申し訳ないという表情で切原を見上げた。
「いやっ! 七星ちゃんは全然悪くないし、ん~…」
言いよどむ切原にテニス部メンバーの視線が集まる。
こうなると、蛇に睨まれたカエル状態だ。しかも蛇は種類も豊富で数もいるときている。一対多数で負けだ。
「決まりじゃな」
「楽しい一日にしような? 赤也」
爽やかに仁王と幸村が笑った。
(…楽しめんのかよ…っ)
心でぼやきながら切原は、歩き始めたメンバーの一番後からついて行った。