横浜物語
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(…随分じゃねぇ…? 俺ちゃんと練習出てるし、練習試合だって勝ってるぜ? )
黙って聞いていればだんだん腹が立って来る。
「わっかりました! いいっすよ。俺は俺でひとりだけで遊びます」
机から身体を起こすとけだるそうに椅子を蹴って立ち上がった。
「みなとみらいに行ってナンパしちゃえば即席の彼女だって…」
自分のロッカーに向かいながらのぼやきが不意に途切れた。
「…赤也? 」
身体の動きも止まり、そのままの姿勢で天井を見つめる切原に部員の視線が一斉に集まる。
「…何だそっか。誘っちゃえばいいんじゃん。そうだよ…だったらひとりが好都合。余計なお邪魔虫はいらないもんね」
何やらつぶやきながら動きを再開させると、妙に嬉しげなスキップでロッカーに近づき、さっきまでのだらけた様子からは想像もつかない速さで一気に身仕度を整えた。
「幸村部長、いただきっすよ。ほんじゃどーも先輩方、さよーなら」
ヘラヘラっと薄っぺらく笑うと、切原は部員に手を振りさっさと部室から出て行ってしまった。
「いただく…まさか赤也の奴…」
幸村が切原の去ったドアを見ながら、かすかに眉を寄せた。
「そうだな、赤也があの娘に誘いをかける確率…100%だ」
柳が確信を持って答えた。