東京物語*
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さて翌日。
四天宝寺中テニス部に小箱が速達で届いた。
「白石、なんやお前宛に来とるで」
顧問の渡邊が小脇に箱を抱えたまま、コートにいる白石に手を振った。
「俺に?」
「ファンの女の子からじゃない?」
「ええなー、また白石なんか? いっつも白石にばっかり届くやん。ずーるーいーっ!」
俺も欲しいーっと、渡邊から白石に渡しかけた箱を遠山が横からかっさらった。
「あ、金ちゃん!」
「なんやろな~たこ焼き、いや鯛焼きでもええな~」
と白石の止めるのも聞かず、嬉しげに両手に持った箱を思い切り上下左右に振る。
「カランカラン音するで」
意外と軽い箱にいささかがっかりした感の遠山だが、バリバリと箱を開けた。
「ん?」
「なんやったの?」
中を見て固まった遠山に、金色も後ろから覗き込んだ。
「カ、カブトムシがひっくり返ってるわよ!」
「え?」
「まさか?」
カブトムシと聞いて、謙也、白石、財前の三人が一気に駆け寄る。
「これ、カブリエルのそっくりさん……?」
乱暴に開けられた箱に入れられた虫かごの中で、無惨にもおがくずとゼリーまみれになったカブトムシがもがいていた。
財前が箱に“取り扱い注意・この面を上に”のシールが貼られ、更に生き物在中、品名にカブトムシとも書かれているのを見て
「全部ムダですやん」
と呟いた。
そして、送り主はなぜか青学テニス部となっていた。