東京物語*
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「白石はカブリエル飼っとるし、もう一匹増えてもかまへんやろ」
コップに氷を入れ、ドリンクのボタンを押した謙也はそう言った。
(車内でもずっとくっついてればいいけど)
大丈夫なのかな、と他人事とはいえ少し心配になった七星である。
「大丈夫やないですか」
七星の真後ろから手を伸ばしてコップを取った財前は
「カブリエルも部長にしがみついて連れて来られてますんで」
「そうなんですか」
気配もなしに背後に立たれてちょっと驚いた七星だが、そんな感じは見せないように財前に返事をした。
「うはー食ったわー!」
デザートの甘味も平らげ、ドリンクも何倍飲んだのかと言うくらいテーブルとバーを往復し、満足そうに腹をさする謙也。
「ぼちぼち帰らなアカンね」
「名残惜しいけど行きますか」
店を出て駅へ向かい、乗り換えて新横浜駅へと着いた。
(本当はここまで送る約束なんてなかったはずだけど、大阪の人だしこれで最初で最後)
そう思えば爽やかに見送れる。
ランチもおごってもらったし、とにこやかに新幹線のホームまで三人と一緒に行った。
「これ、俺のアドレスと電番なんで、気が向いたら何か送ってください」
そう言われて財前から渡されたメモは白石と謙也が先に車内に入ってすぐだった。
「え、あの」
しかしドアも直後に閉まり、車体も緩やかに加速を始めると、窓越しに財前が軽く手を振る姿も遠去かって行った。