東京物語*
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カブリエル……昨日聞いた名だ。
七星が白石のほうを向くと、なぜか白石は七星の後ろに回り
「ちょいごめんな」
と言いながらに、七星の髪に手を伸ばした。
「え」
思わず首をすくめた七星だが、白石の手元を見て驚いた。
「カブトムシ……」
どうやら飛んできたカブトムシが七星の髪に止まったらしい。
「めっちゃそっくりさんやけど、カブリエルとちゃうわ」
しげしげと七星の髪から自分の指に移したカブトムシを見つめる白石。
「お前さんたち何しとるんじゃ?」
聞き覚えのある声に七星はそちらに顔を向けた。
「仁王さん」
「と、七星ちゃんか。久し振りじゃの」
嬉しげに笑いかけた仁王だが、七星と一緒に一斉にこちらを向いた三人衆に気色ばんだ。
「七星ちゃんの連れかの?」
「あ、はい。この人たちは大阪の四天宝寺という学校のテニス部の方です」
「四天宝寺……」
その学校の名前は知っている。
全国大会に出れば嫌でも出会う名だ。
「すんません。四天宝寺テニス部の部長、白石言います」
もちろん白石も知っている。
「俺らは用事で東京まで来とるんですけど、今日はぜひとも昨年の覇者立海を間近で見たいと思い寄らせてもらいました」
「見学希望か」
別に見学はどこの学校が来ても構わない。
問題はなぜ七星といるのか、だ。