東京物語*
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「おはようございます」
三人の姿に気づいた七星は会釈と挨拶をした。
「おはよーさん。今日はホンマわざわざおおきに」
「めっちゃおはよーやでー」
「おはようさん。待たせてしもたかな」
三者三様に挨拶され、戸惑う七星だが、時間通りなので待たされてはいないことを告げ、四人でそれぞれの交通系のICカードを使い改札を入った。
「やっぱり違うもんやな」
「はい?」
ホームに向かいながらカードをショルダーバッグにしまおうとした七星に財前が声をかけた。
「ほら、これ俺のですわ」
「あ……」
しまいかけたカードを持つ手を引き寄せて、自分のと財前のを見比べた。
自分のは東日本主流のもので、財前のは西日本主流のだ。
「これは初めて見ました。可愛いですね」
カードに印刷されたキャラクターを指差し七星が小さく笑う。
「ほな、交換しません?」
「え? カードを、ですか……?」
今度はカードと財前を見比べた。
「そうです。これ、言わば限定品なんで、こっちのエリアじゃ絶対買えへんし出会いの記念でどうです?」
「え、ですが……」
さすがに電子マネーが入っているカードなので、七星も断ろうとしたが、
「ああ、残高が同額ならかましませんやろ?」
「え、」
財前がニンマリと笑った。
「前を通過した人の残高は後続者にはわかるんで」