東京物語*
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「え、と」
立海へ顔を出したらどうなるか。七星は考える。
(校門までなら問題ない、よね……?)
テニスコートにさえ行かなければいい。立海の面子に見られなければいい。
始めはすぐに断ろうとしたが、大阪からわざわざ来たのに、土地勘のない神奈川で迷子になったら気の毒だと、つい思ってしまったのだ。
「いいですよ、ご案内します」
「ホンマ? ありがとう」
「ええ? ホンマにええの?」
笑顔の財前。驚く二人。
「でも、ご案内するだけですよ? あたしは立海の校門で帰りますから」
さすがに行きに送れば道はわかるし帰れるだろうと七星は考えた。
「それでええっすわ。明日はモーニングかランチ奢りますんで」
財前のその言葉で七星もちょっと嬉しそうに笑った。
翌朝、今日で大阪に戻る三人組が宿の世話になった忍足侑士と別れ、立海へ向かうべく駅へと急ぐ。
昨夜侑士が、立海への行き方は大丈夫かと謙也に確認したところ
『大丈夫やで、道案内がいてるん』
『道案内?』
『せや、昨日と今日氷帝と青……』
『謙也さん、明日寝坊せんでくださいよ』
『寝坊なんてせえへんがな!』
話の腰を折られたが、道案内がいるとは気になる。誰なんやろ?
腑に落ちないまま三人を見送った忍足侑士だが、そのまま自身も氷帝の練習へと急いだ。
三人が駅へ着くと既に七星が待ち合わせの券売機前で待っていた。
財前の笑みが知らずにこぼれた。