東京物語*
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「……ふむ、新作乾汁に加えてみるか」
新しい玩具を手にした子どものように眼鏡のレンズを輝かせ、ボトルを見つめる乾が微笑んだ。
「なんか今寒気がしたにゃ……」
両腕をさすり、辺りをキョロキョロする英二に
「風邪かい? 早めにビタミンCとか採って休むといいかもしれないね」
不二がやや心配そうに声をかけた。
「遅いで財前!」
それほど時間は経っていないはずだが、スピードスターの謙也には待ち時間は短いに限るようだ。
喫茶店もあるが、メニューが豊富という事とお値段もリーズナブルで、モーニングから営業しているファミレスに向かうことになった。
「あ、別に礼やからって奢らんでええよ? 俺ら運動部は食うし、財布空にする事ないで」
座席に案内され落ち着くと、白石がメニューを開きながら笑う。
「え、でも」
亀探しの礼なのに、と七星がちょっと困った顔をしたせいか
「ほな、ドリンクだけ。それならかましませんやろ?」
財前もデザートのページに目を通しながらそう言った。
「それでよければ」
七星もホッとしたように笑顔を返した。
「朝定食いってみよかな」
「まんま旅館の朝飯やん」
モーニングの写真を指差しながらあれこれ吟味する白石と謙也に
(朝ごはん抜きだったのかしら……)
と、二人を見ながら七星は思った。
七星はデザートとドリンクのセットを頼もうと始めから考えていたが、選びかけたデザートは無情にも10時30分より販売となっていた。
「なんや、これ10時半からなんか」
京都スイーツと書かれた和風のパフェと腕時計を交互に見た財前もため息を吐いた。
「ランチからの販売いうんかな。えげつないな、好きなもん食わせて欲しいもんやね」
財前の開いたページを覗いた白石も言う。