東京物語*
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「俺宛?」
「これ、最近うちの校長が導入した四天宝寺名物ロシアンルーレット自販機のハズレ飲料ですわ」
ロシアンルーレット自販機?
初耳だ。四天宝寺にはそんなたわけたものが? だが、乾の目に映る見たこともない缶やボトルのデザインは興味が湧きまくりだ。
「まあ、飲みたい物はほぼ出てこないんで、大体が罰ゲームでやってますけど」
言いつつ財前は、まず一本目のボトルを乾に向け解説する。
『きみサバサバしているね♪』のラベルは海を意識してデザインされているようだ。
「卵と鯖(サバ)のブレンド飲料ですわ」
一本目を乾に渡し、二本目を向ける。
『まぐろソーダはまぐれじゃないそーだ』
「文字通り鮪(まぐろ)のソーダっすわ」
受け取る乾の頭を『鰯水』がよぎる。
「……魚系が多いようだが」
「あれです。EPA(エイコサペンタエン酸)だのDHA(ドコサヘキサエン酸)だの他にもカルシウム、タウリン、ビタミンも豊富に含まれる言うて校長一押しなんすわ」
無表情に乾にボトルを渡す財前。
「きみは飲んでみたのかい?」
爽やかなラベルとちょっと相反する油っぽいような液体の詰まったボトルと財前を見比べ、乾は聞いてみた。
「まさか、そないにけったいなもんよう飲まれへんわ」
にべもなく答える財前は三本目を向けた。
『ぎゅうっとしてね♪ 牛と牛のハーモニー』
「普通のコーヒー牛乳に見えるが……」
「牛丼と牛乳のカップリングっすわ」
一見美味そうなボトルに無言になる乾。
他にも缶入りういろうドリンクやえのきドリンク、罰以外の何物でもないワサビドリンクも渡された。
「……しかし、なぜこれを俺に?」
「変な汁作りに余念がないって、謙也さん経由で聞きました」
軽くなったバッグを肩に掛けた財前は
「なんかの研究の足しにでもしてください」
そう言い、七星たちが待つ校門へと足を向けた。