東京物語*
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大体、カブリエルって何……?
イグアナはわかる。イグアナは。
カブリエルがわからない、と七星の困惑は深まり、微妙に白石から距離を置いた。
「そや、そもそも、その亀さんを何であんたが探す事になったん?」
距離を置いた白石が詰めて来た。
「え、と」
七星は越前に説明したように、白石ではなく三人に向けて話した。
「水槽の亀が……?」
「普通は出られへんやろ」
「しかもミドリガメってちっさいやん」
うーん、と三人それぞれに腕を組んだり、顎に指を添えたりして考え込む。
「……昨日の当番、もしかして男子生徒とちゃいます?」
「え?」
不意に財前が七星と視線を合わせた。
「あー、男子やったら亀出して遊んでそのままか、雑に世話して戻し忘れてそのままかってパターンあるわ」
何やら納得したように白石が頷く。
「生物やったら水探すと思うんで、池とかここはあります?」
財前の言葉に七星は
「あ、あります! 小さいですがめだかがいます」
返事をしながらその方向を指差し、身体はすでにそちらを目指していた。
「あ!」
「おるやん!」
駆けつけた三人と七星が池に着いた時、目的の小さな亀が泳いでいた。
「おー! やったやん確保やで~」
腰をかがめた謙也が腕を伸ばし、浮いていた亀を素早く掬い上げてくれた。
「ほい、ご帰還や」
七星の手のひらに亀を乗せると謙也は屈託なく笑った。
「ありがとうございます!」
この広い校内をくまなく探すのかと、途方に暮れていた七星だが、この三人組のお陰であっという間に解決出来たのだ。