東京物語*
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「五センチ……」
越前も自分の指で大きさを計ると「無理じゃね?」と呟く。
「五センチとはいえ昨日から脱走して夜中中徘徊したとしたら、外に出てる可能性もあるだろ?」
「う、うん。そう、だよね」
七星と越前が並んで指で作った五センチを見て、ちょっとどうしようと真剣に思った。
「おチビ~なーにしてんのー! 早く着替えて練習だよーん」
菊丸の声が校舎の外から聞こえて来た。
「あ~、亀探してから行くんで遅れまっす」
越前が窓から顔を出し、菊丸に答えたが
「亀? 何の話かな?」
なぜか不二も着いて来ていた。
「四天宝寺がはるばる来てんだから、亀なんて後回しだよー。手塚も急いで来いって言ってるんだかんなー」
半分ふくれながら菊丸が窓から見える越前に抗議したが、目ざとく不二は教室内の七星を見つけた。
「あれ、七星ちゃん。君もいたんだね。でもここは越前のクラスだと思うけど、どうしたの?」
にっこりと微笑む不二は有無をも言わせぬ圧を緩やかにかけてくる。
「あの……それが、亀を探してまして」
「君の亀?」
「七星ちゃんの亀?」
二人がハモり、ヒラリと窓枠を乗り越え困惑気味の七星にずいっと近寄った。
「ここ、教室っす」
二人の足元に越前が冷めた視線を送るが、不二も菊丸も全く意に介さない。
「僕も探してあげるよ」
「俺も! 手伝うかんね!」
四天宝寺が手塚が、とつい先ほどまで言っていたのに、と越前は呆れ顔で七星を構う二人を見ていた。