東京物語*
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「そや。大阪四天宝寺テニス部の部長白石です」
青学の部長にも知られているのは光栄、と握手のための手を差し出した。
「で、今日は何をしに?」
手塚の質問に白石はかいつまんで説明した。
「乾が昨日氷帝へ?」
いつの間に行っていたのだ? と手塚は眉をしかめた。自分は偵察など頼んでいないし、行って来たという報告も聞いていない。
「高寺……」
何か知っているな? という視線をがっちりと感じ取った七星は、乾が竜崎のお使い途中に音楽教師にも頼まれ、巻き込まれる形の付き添いで仕方なく自分も氷帝に行った事を伝えた。
「なるほど。そうか……」
「昨日は氷帝に謙也の従兄弟がいる関係で練習試合させてもろたんですが、今日は見学だけでも出来たらと思い伺いました」
「あと、乾さんに渡したい物もあるんでよかったら観させてください」
白石に続き財前も手塚に言う。
「乾に?」
「まあ、昨日の礼みたいなもんですわ」
飄々という財前に
(いつの間に礼なんて用意したん?)
と、いささかびっくりな白石と謙也だ。
「特に見学の規制等はしていないし、他校のテニス部も年中来ている。遠慮なく観てくれて構わない」
そう言いながら手塚は四天の三人をコートに先導し始めた。
「では、あたしはこれで失礼します」
七星がもう一度お辞儀をすると
「お前は観ていかないのか?」
と、足を止め手塚が振り返る。
「飼育当番なので」
にこやかに言い、緩やかにスカートを翻した七星の姿は校舎に消えた。