東京物語*
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「昨日? 青学?」
白石と忍足がハモる。
「昨日、俺らの練習試合をたまたま青学のテニス部員が観に来てたんですよ」
バッグのファスナーを閉めた財前が白石と忍足に言った。
「その時によければ見学どうぞ言われまして」
それなら行くのが得策っちゅーもんでしょ、と財前は言うがそのような会話は昨日されてはいない。
「青学か、今年はダークホース的に来よるはずやから視察必須やね」
「そうと決まったら青学行くで!」
白石の言葉で麦茶でパンを流し込んだ謙也が椅子から立ち上がると、あっという間に支度を済ませ玄関に並べたスニーカーに足を突っ込んだ。
「速っ!」
「相変わらず無駄に速いっすわ」
びっくりの忍足に慣れた財前。そして白石の四人が仲良く外に出たが、三人と一人は駅前の交差点でそれぞれの方向へと別れた。
「ほな、青学行くでー!」
勢いよく駆け出す謙也に
「そっちやないです。こっちですって」
真反対を指差し、さっさと財前は歩きだした。
「全く可愛げないやっちゃ!」
怒る謙也に「まあまあ、いつもの事やろ」と白石も笑い、財前の後をふてくされる謙也と並んで着いて行った。
「ここが青学か」
門前から中を覗き込んだ謙也が二人聞く。
「勝手に入ってええんかな?」
「うーん、関係者以外お断りちゅーんは、どこの学校かて同じやと思うで」
どないしよ、と困った三人組に後ろから声がかかった。
「どうかされましたか?」
財前が真っ先に振り向いた。
声の主に覚えがあったからだ。