月光小夜曲*
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(1ゲームか……と、確か先に4ポイント取ればいいんだよね…)
…とにかく早く決めなくちゃ。
あたしは疲れた右腕から、左手にラケットを持ち代えた。
「なーっ!七星ちゃん、左ききやったのーっ!?」
忍足さんがびっくりして叫んだ。
と同時にツイストサーブを叩き込んだ。
「…ほう…!本当に越前だったのか」
跡部さんがニヤリと笑う。
次のサーブを跡部さんが打ち返す瞬間、あたしは走り出し、ボールの跳ね上がりを速攻で打ち返した。
「超ライジングショットか!…やるな」
「30―0」
「…凄いやん。跡部がかすりもせんわ…」
「40―0」
(あと一球…だけど、結構きつい。何とかサーブの一発で決めないと…跡部さんなら、すぐ追いついてデュースにされちゃう…)
その時、風が吹いた─
あたしは気を落ち着かせると、ボールを持ち上げた。
コートに歓声が響いた。
打ったボールは、あたしの手の中に戻っていた。
「ゲーム高寺」
「約束です。あたし帰りますから、送って下さい」
本当は自分でさっさと帰りたかったけど、ちょっと足が危険ゾーンに入りかかってる。
悔しいけど跡部さんに頼る他はない。
「ああ、送ろう。忍足、後は頼むぜ」
珍しくあっさりとあたしの言うことを聞いてくれたので、ちょっと面食らった。