東京物語*
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「大阪…」
言葉とともに、むわっと肌にまとわりつく熱気と騒音、悲鳴…自転車…次々と思い出されて来た。
そして、たこ焼きが…。食べ損ねたたこ焼きが…忍足の頭を駆け巡る。
「…あれかいな…」
辛うじて理性で抑えた。たこ焼きごときで騒いでは、この従兄弟、忍足謙也に笑われる。のちのちまでバカにされるに違いない。
「へぇ~凄いんだね。忍足ってばカッコE~」
みんなの足元から潜り込んで下から見上げるように文面を読んだ芥川が、嬉しそうに言ってくれた。
「え、…そうかいな。ありがとなジロー」
日だまりのような芥川の笑顔につられ、忍足も笑顔を向ける。
「ま、そないなわけでこれを渡しに来たんよ」
大きい表彰状をゆるく丸めると、謙也は侑士に手渡した。
「…わざわざ三人で…? 」
手渡された賞状を手元で広げ、もう一度毛筆で書かれたうやうやしくなるほどの文を読み、従兄弟とその部長と後輩を見渡した。
「そや、ありがたいやろ? 」
「…何かあるやろ。手渡すだけやったら謙也一人で充分なんやし…」
うさん臭げに忍足侑士は三人を順番に見た。
「手渡しはついでや。俺らの真の目的は…」
「東京見物ですわ」