東京物語*
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「あ、しもた、忘れるとこでした。いったん駅から出てもええですか? 」
乗り換え路線に向かいかけて、数歩歩いたところで財前が、何かを思い出したように白石達に話しかけた。
「…ん? 別にかまへんけど…光が東京に何の用があるん? 」
白石が首をひねる。
「東京駅に用があるんですわ」
そう言うと、財前はすたすたと丸の内側の出口へ足を向けた。
「東京駅に? 」
ハモりながら白石と謙也は顔を見合わせたが、すぐに財前の後を追う。
東京駅の丸の内側の駅舎は、赤れんがで作られた歴史に名高い建物である。
「これ…写真で見たことあるわ…」
そのクラシカルで威厳をたたえた建物に白石と謙也は思わず目を見張った。
「一応重要文化財ですわ」
財前はポケットから携帯を取り出すと、真夏の青空に映えるその建物を幾枚かの写真に収めていく。