大阪物語*
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「ほな、行かへん? 」
「はぁ? 」
(この人は何を言うてるんや…? 全国に向けて調整中やろ。そないな時期に東京やて…?)
「東京でしたらお供しますわ」
「財前…? 」
(お前まで何やの? )
謙也と白石、二人の会話にさり気なく財前が加わる。
「例の件とちゃいますか? 」
ニヤリ…と財前が、口の端と目で笑った。
「何や、勘がええんやね光は」
「それほどでも」
(…わからへん…二人がわからへん…何やのこの疎外感…)
よろめきそうになりながら、辛うじて謙也は踏み止どまった。
「ちゅうわけやから謙也、いつでも行けるように用意したってや」
「は? 」
言うだけ言うと白石と財前は行ってしまった。
夕暮れにカラスとひぐらしの声が混ざる。
「何やの…」
呆然と立ち尽くす忍足謙也が東京行きの意味を知るのは、もう少し先のことであった。
(絶対、たこ焼き食うたるからな! )
「侑士! 絶好調じゃん! 」
氷帝のコートにもひぐらしの声がかすかに夕暮れの余韻のように届いた。
fin.