大阪物語*
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「白石、財前、退(の)けや! ぶつかるで!」
バッグからラケットとボールを掴み出すと、瞬時に自転車に照準を合わせ、忍足侑士は叫んだ。
白石と財前も侑士を振り返ったが、その手の中の物を見ると、すぐに軸線上から避(よ)けた。
自転車は道を変えようとして、ややスピードを落としたがそれでも勢いよくハンドルを切った。
(今や!)
忍足侑士がボールを空へ投げ上げると、氷帝のチームメイト鳳長太郎に匹敵するような見事なスカッドサーブを繰り出した。
ボールは前を行く三人を追い越し、カーブを切った車輪に鮮やかにヒット。
「うわぁっ!」
バランスを崩した自転車は、一気に横倒しになり、ひったくり犯も路面へと投げ出されてしまった。
「御用や!」
「ここまでですわ」
倒れ込んだひったくり犯を、謙也と財前そして白石が取り押さえて一件落着である。