大阪物語*
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「浪速のスピードスター舐めたらアカンで!」
そう言うなり謙也が猛然と走り出した。
「行きましたな」
駆け出した謙也の背中を見送る財前。
「俺らも行くで、光。謙也が勢い余って問題起こしたらたまらんわ」
謙也に続きダッシュしながら振り返り、白石が早口に言った。
「そうですな」
財前も仕方ない、と言う顔をしたのはほんのわずかで、すぐに獲物を追う猟犬のように走り出した。
自転車は走りにくい人混みを避け、少しでも逃げやすくしようと人通りの少ない道へと必死に向かう。
追う四天宝寺メンバーのわずかに後から、忍足侑士も追う。肩にあるバッグが邪魔だな…と思った時に、ハッと気がついた。
「謙也ーっ! フォーメーションAやっ!」
肩からバッグを下ろしながらファスナーを開け、前を走る従兄弟に向かって叫んだ。
「なっ! 何やの、フォーメションAって!?」
緊張して走る謙也の目が点になって、侑士を振り返った。