大阪物語*
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ドアが開くと同時に熱気と喧騒が流れ込んで来た。
(…ウザ…)
一瞬息を止め、顔をしかめた忍足侑士の耳に悲鳴が聞こえたような気がした。
「なん? 今…」
身を乗り出すようにドアから外を見ようとすると
「あっちや。何や騒がしな…」
謙也が指差し、白石も大きくドアを開いた。
『止めろ! 』
『そいつや! 』
『誰か…! 』
わめき散らす声と人だかりの中から、いきなり一台の自転車が飛び出すと、あっと言う間に忍足達の目の前を通り過ぎて行く。
「エラい猛スピードやんな…」
「人混みやっちゅうに危ないやん。非常識もええとこや」
忍足同士が自転車を見送りながら話していると
「落ち着いてる場合とちゃいますよ」
財前が、自転車が来た方向を目線で促した。
『ひったくりや! 』
「何やて!? 」
大声で叫びながら、幾人もの人達が、すでに走り去った自転車を必死に追いかけて来た。