大阪物語*
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「そないに驚かへんかてええやん」
謙也のあわてぶりを見て、さも愉快そうに四天宝寺テニス部部長、白石蔵ノ介が笑う。そして、目の端でチラリと侑士を確認するような視線を投げた。
「やって……誰かて驚くがな。たった一日の貴重な休みにわざわざ炎天下の中、日本橋くんだりまで来てみたら、いつもの見飽きた顔やん。よけい暑苦しいわ」
ハア……とため息を吐きながらも忍足謙也は腹の中で考えていた。
(こいつらと飯なんか食うたらアカンで。懐が温(ぬく)いんバレてしもたら、おごらされてまうわ)
「たまたまですわ。久々にゲーセンでも行こか、言う流れで来ただけですもん」
財前光も、説明しながらチラチラと、謙也の隣に立っている忍足侑士に注目していた。
「謙也、その人もしかして……」
口火を切ったのは白石だった。
「あ……。そや、俺の従兄弟で東京の氷帝学園テニス部レギュラー、忍足侑士や」
白石と財前の視線に気づき、やっと謙也は侑士を二人に紹介した。