大阪物語*
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両方の親から小遣いを貰った以上、形だけでも侑士に昼飯を食べさせねばならない。絶対、何をどこで食べたのか聞かれるに決まっている。
「ともかく大阪駅行こや。そっから日本橋辺りに出てもええし」
「あ……そや、日本橋に美味いたこ焼きの屋台あったやろ?そこでええわ」
二人の話が決まると、ようやく改札口から離れ、大阪行きの路線へと歩き始めた。
(日本橋やとメイド喫茶やな。ちょっと覗くくらいええやろ……)
謙也はメイド喫茶の制服を思い出し、知らずにニヤつく。
「……気色悪いな。自分、何考えとんの?」
大阪駅へ向かう車内で、謙也の意味もなくニヤつく表情に疑問を感じ、侑士は眉間に皺を寄せながら尋ねた。
「え……」
(俺、そないにアホ面しとるんか)
少しばかりのはずが、いつの間にやらメイド喫茶への妄想が度を越していたようだ。慌ててその場を繕うと、忍足謙也は扉に寄りかかり、流れ去る景色に目をやった。