大阪物語*
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「あ……言われたらそやね」
忍足謙也が納得して笑う。
バッグの中身は、家族への東京土産と跡部に言われて仕方なくラケットを一本とボールを入れて来ただけだから、普段部活に行く時の半分にも満たない軽さである。
「やっぱ、こっちに帰って来たんやったら粉モンやろ?たこ焼きか、お好み焼き……行こか?」
久し振りに会った従兄弟と何を食べるか、真剣に考えるように顎に指先を添えていた謙也だが、実はかなりセコいことを考えていたのである。
(侑士が来る言うから、久し振りやし今日は練習休みで暇やし市内もブラつきたかったし、ついでに迎えに行ったるっておかんに言うたら二人で昼でも食べや言うて小遣いくれよった。んで、侑士のおかんにも迎え行くわって顔出したら、やっぱ昼代や言うて小遣いくれてん……俺ウハウハやん)
問題はひとつ。この臨時収入を、いかに本来の目的である忍足侑士に使うことなく自分に還元するか……である。そのためなら頭はフルに使う。
(粉モンなら安くつくやろ……)