大阪物語*
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『ラケットも必ず持ってけよ!素振りでもロードワークでもメニューこなしやがれ。わかったな!』
言うだけ言うと、跡部は部活の終了を告げ、さっさと部室へと戻って行ってしまった。
『休みにならへんがな……』
すっかり日も落ちて薄暗くなったテニスコートで、まだ息も荒く座り込んだままの忍足は、跡部の背中を恨めし気に見送ると、ようやく疲れ切った身体を起こそうとした。
『ウス……』
『あ……? 何や樺地、立ち上がるん手伝ってくれるん?』
氷帝一寡黙な男、樺地は跡部の命令で動く。
(……一応は跡部の優しさ……なんかな?)
樺地に腕を取られ安々と立ち上がれた忍足は、跡部を素直じゃないなと思いつつも、心の中では微笑ましさと少しの感謝を跡部に持ったりした。
「ほな、何食べよか……つか侑士お前、荷物それだけなん?少な過ぎへん?」
従兄弟の声に我に返った忍足侑士は、
「実家に行くんやで?着替えやの洗面具やの、持ってく必要あらへんやん」
事もなげに言った。