大阪物語*
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「遅いやん!何タラタラしとんの?着いたらさっさと降りて来いや。乗り損ねたかと思ったやんか!」
改札を抜けたとたん、金髪の兄ちゃんが駆け寄って来るといきなり文句を言って来た。
「謙……也? ……なして居るん?」
「迎えや。滅多に会えへん従兄弟が東京から来るんやで?出迎えくらいしたるわ」
金髪の男……自分の従兄弟、忍足謙也がわざわざ真夏の炎天下に出迎えに来るなんて……と出迎えられた男……黒髪、伊達眼鏡がチャームポイントな忍足侑士は、かなりな驚きを感じた。
確かに新幹線の到着時刻は、車内から家族宛てに携帯で知らせた。しかし、それは迎えを要請するものではなく、単なるお知らせ程度のものだった。
「あ~……」
「飯食うやろ?何がええ?駅弁食うたかて何か入るやろ?」
久し振りの従兄弟に何か気の利いた会話でも、などと思ったが敢えなく止められてしまった。
「……寝てたから何も食うてへん」
「……さては部活疲れやな?」
謙也がニヤリと笑う。同じ全国を狙うテニス部同士だ。それくらいは察する。
「……そや。三日ほど帰省する言うたらみっちり練習させられてしもたわ……」
あくび混じりに侑士も答える。