大阪物語*
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「はぁ…暑…」
東京発博多行きの新幹線からホームに降り立つと、うだるような熱気が出迎えた。
冷房の効いた車内から出たばかりは、余計こたえる。
新大阪駅、23番ホーム。今降りた新幹線は新しい乗客を乗せ終わると扉が閉まり、なめらかに流線形の車体を加速させて行った。
「こないに暑いんやったら帰るん夜にすればよかったわ…堪忍してや」
ため息を吐きながら手に下げたバッグを肩に担ぐと、シャツのポケットから切符を取り出し、改札口へとようやく足を向けた。
一緒に下車した他の乗客達は、とっくにホームから姿を消していた。
アナウンスは次の案内を始めている。
「あ~…ダル。今何時や…って昼時やん。うっかり寝てしもたから、駅弁食いそびれたわ…どないしよ…」
エスカレーターを降りながら、頭の中は途中で食べるか、家まで我慢するか、昼食のことでいっぱいになっていた。