シンデレラは眠れない*
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「もっと言ってよ、鳳くん」
泣きボクロや伊達眼鏡の情報は、飽きるほど聞きたい。どれだけ聞いても飽きないけどね。
「そんな風に言う先輩はとても可愛いらしいですよ」
何だかやけに優しい眼差しで、ぐぐっと鳳くんがあたしに近付いて言った。
でもね、鳳くん…そんなことあたしは聞いてないよ?
あたしは、あの二人のことを聞きたいんじゃ! あたしなんて可愛くないんだから、放っといてよし!
「そんなのは、どうでもいいわ。じゃあね」
あたしは鳳くんに背を向けると、片手を振ってスタンドを後にした。
今日は伊達眼鏡もいない上に、泣きボクロまでが生徒会の仕事で呼び戻されてしまったから、収穫なし。
「はぁ…やっぱりテニス部は試合間近か、大会中じゃないと華が足りないわ」
あたしは教室に戻るべく、スタンドから校舎へと向かった。