月光小夜曲*
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「よう、来たな。お嬢ちゃん」
あの生徒会室で、ゆったりと椅子に座り、足を組んだまま、跡部さんはあたしに言った。
「…あたし、青学がいいんですけど…」
跡部さんの顔を見たら、あれこれ言っても仕方ない気がして、最重要のポイントだけ、言った。
「では、取りあえず『聴講生』だな。週1~2回顔を出せ」
「………」
(あの、だからね跡部さん、人の話は聞きましょうよ)
「安心しろ、送迎付きだ。ありがたかろう?」
(全然聞いてない…)
あたしが俺様に、転校などはごめんだとキッパリ伝えようと口を開きかけた時、ドアにノックの音がして、扉が開いた。
「部長、準備出来ました」
背のスラリと高い人が、あたしにも会釈をしたので、あたしも軽くお辞儀をした。
「よし、来いお嬢ちゃん。部室へ案内するぜ」
跡部さんが椅子から立ち上がった。
…まったく、どうしてこうも人を無視して話を進めてくれるんだろう。
こういう人はやりたいことをやらせてからじゃないと、話なんて聞かないんだろうな、と結論を出し、仕方なくあたしは跡部さんの言うことをしばらく聞くことにして、二人の後について歩き始めた。
部室へ向かいながら、跡部さんはあたしに振り返り聞いて来た。
「お前、テニスはどれくらいやっているんだ?」
「…一度もしたことありませんけど…?」
おかしなことを聞くな…と思ったけど、あたしは正直に答えた。
「…何…?」
「…え!?」
跡部さんと、さっき生徒会室に来た鳳さんが同時に足を止め、顔を見合わせた。
「…初めてで、いきなりツイストサーブを打てるものでしょうか…?」
鳳さんが跡部さんに、疑問だらけの表情で何か囁きかけた。